黒服の給料は高いって本当？仕事内容や役職別の月給、給与形態を解説

黒服は、キャバクラやラウンジなどの夜のお店で働く従業員のことです。
「ボーイ」と呼ばれることもあります。

ここでは、黒服(ボーイ)の仕事内容について解説します。

お店の開店準備は黒服の仕事です。
店内の清掃はもちろん、営業中に使用するおしぼりの準備、買い出し、在庫確認、グラスのセッティングなども行います。

やらなければならないことが多いので、開店時間の2時間前には出勤している黒服の方もいらっしゃいます。

また、開店前にミーティングを設けているお店もあり、その場合の出勤時間はだいたい夕方の5〜6時頃になることが多いです。

営業中は、ウェイト業務がメインです。
オーダーを取ったり、注文の入ったドリンクやフードを卓まで運んだりします。

ラウンジの場合は黒服がお酒を作ることもあります。

灰皿の交換・回収・洗浄も黒服の仕事ですので、お客様の卓が汚くならないよう、常に気を配ります。
キャストやお客様に何か困りごとが生じた場合も黒服はすぐ駆けつける必要がありますので、灰皿だけではなく、卓全体を俯瞰して状況を把握しましょう。

黒服としての歴が長くなってくると、お客様の一次対応も行います。
一次対応とは、来店されたお客様を席に案内し、手荷物を預かり、指名のキャストがいるかどうかの確認などを行う仕事のことです。

指名のキャストがいるお客様には指名のキャスト、フリーのお客様には待機中のキャストをつけます。

このように、キャストがつくべき卓を判断し、指示する仕事を「つけ回し」といいます。
つけ回しを任されるのは、ある程度経験を積んだ黒服です。

また、お客様の席についてキャストの代わりに接客をしたり、一緒にお酒を飲むこともあります。

お客様がお帰りの際に伝票を持っていくのも黒服の仕事で、昇進すると、伝票だけではなく会計自体も任されるようになります。

お店の営業終了後は、店内の清掃、グラスや食器の洗浄などを行います。
また、お店によってはキャストの送迎を任されたり、ミーティングが行われたりする場合があります。

キャストの管理も黒服の大切なお仕事です。
黒服とキャストはいわゆるバディのような関係で、担当のキャストの出勤状況の確認はもちろん、担当のキャストの売り上げを伸ばす方法を一緒に考えます。

黒服の給与形態は、アルバイトの場合は時給制、正社員の場合は月給制が採用されているお店が多いです。

また、黒服のお仕事をしている方の中には、アルバイト雇用からスタートして正社員に昇格した方もいらっしゃいます。

正社員昇格後にもらえる給料には、アルバイトとして勤務していた時の店長やマネージャーからの評価が影響します。

黒服には、基本給とは別で得ることができる特別な収入があります。
ここでは、そんな特別な収入について詳しく解説します。

黒服やボーイはマネージャークラスになると、担当のキャストが売り上げを伸ばせるようにマネジメント業務を行います。
この場合、黒服は基本給の他にバックを受け取ることができます。

バック(歩合制)とは、担当のキャストが売り上げを伸ばせば伸ばすほど、黒服の給料に売り上げの何%かが成果報酬として還元されることを指します。

お客様から黒服に対してチップが支払われることがあります。

チップとは、黒服が良い接客をしたり、卓を盛り上げることに貢献したり、お客様の希望のキャストを優先的に付けることができた際などに支払われるお金のことです。

チップは必ず貰えるものではなく、貰えたとしても、チップを渡す理由とその金額はお客様によって異なります。

また、受け取ったチップをお店に没収されることはありませんので、お客様のお気持ちをありがたく頂戴しましょう。

お店全体の売り上げが良かった時などに、ボーナスが貰えるお店もあります。

お店の売り上げは、キャストだけでなく裏方である黒服の頑張りの成果でもあるので、頑張った分はしっかり給料に還元されます。

特に1月や12月、歓送迎会シーズンには来客数が増えるので、ボーナスを受け取れる可能性が高まります。

黒服が貰える給料は、就いている役職によって異なります。
ここでは、黒服が貰える給料(月給)を役職別にご紹介します。

新人アルバイトの場合は時給1000〜1500円が相場で、シフトに入る回数によって月給は変動します。

また、アルバイトにも昇給制度を採用しているお店が多いので、一般的な昼職アルバイトよりも良い月給を得ることができる場合も少なくありません。

正社員の場合、月給は25万〜30万ほどが相場です。
初月給も高めに設定されているお店が多く、20万円以上もらえるお店がほとんどです。

またアルバイト雇用から正社員に昇格した場合の給料には、アルバイトとして働いていた頃の店長やマネージャーからの評価が関わってきます。

アルバイトとして雇用されていた時に成果を上げていれば、より高い給料を得ることができる可能性が高いです。

マネージャーの場合、月給は40〜60万円ほどが相場です。
店舗マネージャーを任されるレベルになってくると、給料はかなり高くなります。

黒服の昇給・昇格には年齢や勤続年数は関係ありません。
成果を上げた分だけ給料に還元されるというのは、黒服の仕事の魅力です。

店長の場合、月給は80万円〜120万円ほどが相場です。
責任職のため、相応の給料が設定されています。

過去には、アルバイト雇用から店長にまで出世した黒服の方もいらっしゃいます。
黒服は、頑張り次第で高収入も夢ではない世界です。

他の職種や職業と比べても比較的高い給料を受け取ることができる黒服ですが、その分苦労も多い職業です。
ここでは、黒服を始める・続ける際に気をつけたいことについて解説します。

昼夜逆転の生活や、お客様の卓についた際の大量の飲酒が原因で体調を崩してしまう黒服の方も多いです。

また、黒服のお仕事にはお店の開店・閉店準備も含まれているため、他の夜職に就いている方と比べても出勤時間が早く、退勤時間は遅いです。

黒服は、ただでさえ体調を崩しやすい夜型の仕事であるのに加えて、労働時間が長いことで心身共に負荷がかかりやすいお仕事です。

仕事の資本は健康な心身ですので、黒服を始める・続ける際には、意識して健康的な生活を心がけましょう。

日本は、年齢や勤続年数に応じて給料が上がり、良い役職に就くことができるという年功序列制度を採用している企業が多く存在します。

一方で、黒服の昇格・昇給に年齢や学歴、勤続年数などは関係ありません。
頑張って結果を出した分だけ評価や報酬を得ることができる完全成果主義の世界です。

一見、黒服の昇給・昇格システムは誰でも平等に頑張りを認めてもらえる良いシステムのように思えますが、結果を出さなければ意味がないという風潮があります。

より高い給料を得たい、より良い役職に就きたいという向上心を持ってただ努力するだけではなく、その努力に成果が伴わなければ、昇格・昇給は難しいです。

また、常に数字と向き合って仕事をしなければならないことにストレスを感じている黒服の方もいらっしゃいます。

黒服を始める・続けるのであれば、シビアな世界を生き抜く覚悟を持っていた方がよいでしょう。

黒服の仕事は、完全成果主義の実力社会です。

黒服同士ライバル意識をもって、互いの業績を競うのはよくあることですが、時には度を越えてしまっていじめや嫌がらせに発展するケースもあります。

黒服を始める・続けるのであれば、他者と自分を比較しすぎず、自分のペースを乱されないように心がけるのが良いでしょう。

また、黒服はキャストのマネジメント業務を任されることもあります。
担当のキャストとの方針の違いや、仕事に対する熱量の差が原因で、衝突が起きてしまうといったケースも少なくありません。

黒服だけではなく、キャストの仕事も成果主義の世界です。
数字と向き合うことや、人間関係のトラブルが原因で病んでしまうキャストの方もいらっしゃいます。

キャストのケアは、そのキャストを担当している黒服の仕事のため、キャストの相談に乗っているうちに精神的に疲れてしまう黒服の方も多いです。

黒服とキャストでは仕事内容も違いますし、お互いの気持ちを完全に理解することは難しいです。
受け入れられないことがあったとしても、互いの意見を尊重しあえるような関係を担当のキャストと築いておくことが大切です。

黒服はシステム上、昇給・昇格の機会が多く設けられている場合が多いです。
給料が上がったり、高い役職に就いたりするということは、それだけ仕事に対する責任も重くなることを忘れてはいけません。

黒服を始める・続けるのであれば、自分の仕事や立場に責任を持ちましょう。

今回は、黒服の仕事内容、給与形態や役職別の給料、黒服を始める・続ける際に気をつけたいことについて解説しました。

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